LDAP認証できるSoftEtherを構築する
LDAP のアカウントで認証して使える SoftEther を構築してみたのでメモ
構成
SoftEther に radius 認証と連携できる仕組みがあるので LDAP をバックエンドにした FreeRadius を使ってユーザー管理を委任した構成にします。
動くところまでしか見ていないので参考程度に…。
環境
AWS の ec2 に Ubuntu をおいて検証しました。
1lsb_release -a
2No LSB modules are available.
3Distributor ID: Ubuntu
4Description: Ubuntu 22.04.1 LTS
5Release: 22.04
6Codename: jammy
7
8docker -v
9Docker version 20.10.12, build 20.10.12-0ubuntu4
10docker-compose -v
11docker-compose version 1.26.0, build d4451659
設定
SoftEther の設定
まずは SoftEther 単体で構築します。
サーバ管理用のパスワードがあるとリモートから全ての設定が行えるので扱いに注意が必要です。
後ほど freeradius の設定を投入するのに使います。
1version: "3"
2services:
3 vpn:
4 image: siomiz/softethervpn
5 cap_add:
6 - NET_ADMIN
7 ports:
8 - 443:443
9 environment:
10 SPW: sample_spw_password
あとは README に従って諸々のファイルを用意します。
証明書を生成します。
1sudo docker run --rm siomiz/softethervpn gencert > .env
コンテナを起動して接続用の情報をチェックします。
環境変数でユーザ名を指定していない場合ログにそのまま出ています。
1sudo docker-compose up -d
2sudo docker-compose logs | head -n 5
3Attaching to vpn_vpn_1
4vpn_1 | # ========================
5vpn_1 | # user1234
6vpn_1 | # 1234.1234.1234.1234.1234
7vpn_1 | # ========================
AWS のセキュリティグループからインバウンドルールを追加して 443/tcp を開放しておきます。
クライアント側からポート開放チェックをして疎通しているか確認します。
1# VM 上
2nc -v -w 1 localhost 443
3Connection to localhost (127.0.0.1) 443 port [tcp/https] succeeded!
4
5# クライアント上
6nc -v -w 1 203.0.113.1 443
7Connection to 203.0.113.1 (203.0.113.1) 443 port [tcp/https] succeeded!
下記ページからクライアントを落としておきます。
下記設定で接続設定を追加します。
- 接続設定名
- 任意
- ホスト名
- VM のグローバル IP
- ポート番号
- 443
- 仮想 HUB 名
- DEFAULT
- プロキシの種類
- 直接 TCP/IP 接続
- ユーザー認証
- 種類
- 標準パスワード認証
- ユーザー名
- user1234
- パスワード
- 1234.1234.1234.1234.1234
- 種類
この後の作業が楽なので VPN を繋いだまま作業します。
LDAP の設定
今回は以下の設定で LDAP を構築します。
- dc
- dc=sample, dc=com
- ou
- People
- cn
- Group
イメージは以下を利用します
1 ldap:
2 image: osixia/openldap:latest
3 environment:
4 LDAP_ORGANISATION: "sampleorg"
5 LDAP_DOMAIN: "sample.com"
6 LDAP_ADMIN_PASSWORD: "sample_ldap_password"
7 ports:
8 - 389:389
起動して中身を確認しておきます。
1sudo docker-compose up -d
2sudo docker-compose exec ldap slapcat
3dn: dc=sample,dc=com
4objectClass: top
5objectClass: dcObject
6objectClass: organization
7o: sampleorg
8dc: sample
9structuralObjectClass: organization
10entryUUID: e00880d0-19ec-103d-821e-673cb810be11
11creatorsName: cn=admin,dc=sample,dc=com
12createTimestamp: 20221227044421Z
13entryCSN: 20221227044421.597972Z#000000#000#000000
14modifiersName: cn=admin,dc=sample,dc=com
15modifyTimestamp: 20221227044421Z
ldif 書いても良いのですが、LDAP 触っていたのがだいぶ前で思い出せないので GUI から設定します。
お好きな LDAP クライアントから以下の設定で接続します。
- Host
- VM の IP
- Base
- dc=sample,dc=com
- Account
- username
- cn=admin,dc=sample,dc=com
- password
- sample_ldap_password
- username
接続したら OrganizationalUnit と Group を最初に記載した通り作成しておきます。
OrganizationalUnit 配下に User を追加しておきます。
また、当該ユーザの attribute に userPAssword が付与されていることを確認しておきます。
freeradius の設定
以下のイメージを利用します。
接続先設定で楽したいので先程の docker-compose に追記して利用します。
1version: "3"
2services:
3 ldap:
4 ...
5 radius:
6 image: irasnyd/freeradius-ldap:latest
7 ports:
8 - "1812:1812/udp"
9 - "1813:1813/udp"
10 environment:
11 - "LDAP_HOST=ldap"
12 - "LDAP_USER=cn=admin,dc=sample,dc=com"
13 - "LDAP_PASS=sample_ldap_password"
14 - "LDAP_BASEDN=dc=sample,dc=com"
15 - "LDAP_USER_BASEDN=ou=People,dc=sample,dc=com"
16 - "LDAP_GROUP_BASEDN=ou=Groups,dc=sample,dc=com"
17 - "RADIUS_CLIENT_CREDENTIALS=127.0.0.1:password1234"
コンテナを起動しておきます。
1sudo docker-compose up -d
radtest コマンドを利用して freeradius <-> ldap 間の接続テストを行います。
今回はホスト側に用意して検証します。
1sudo apt-get -y install freeradius
2sudo systemctl stop freeradius
3sudo systemctl disable freeradius
今回は LDAP 構築時に username と password を hoge にしたアカウントを用意しておいたのでそのアカウントを利用して動作確認します。
1# 別コンソールで開いておく
2sudo docker-compose logs ldap -f
3
4# 作成した LDAP アカウントで接続
5radtest hoge hoge 127.0.0.1 1812 password1234
うまくいくと以下のようなログが出ます。
1radtest hoge hoge 127.0.0.1 1812 password1234
2Sent Access-Request Id 88 from 0.0.0.0:41979 to 127.0.0.1:1812 length 74
3 User-Name = "hoge"
4 User-Password = "hoge"
5 NAS-IP-Address = 127.0.0.1
6 NAS-Port = 1812
7 Message-Authenticator = 0x00
8 Cleartext-Password = "hoge"
9Received Access-Accept Id 88 from 127.0.0.1:1812 to 127.0.0.1:41979 length 20
失敗すると最後の行が以下のようになり Reject されます。
1(0) -: Expected Access-Accept got Access-Reject
自分の場合はタイポしていたので LDAP 側のログを見ていて気付きました。
1ldap_1 | 63aa936c conn=1010 op=3 SRCH base="ou=Poeple,dc=sample,dc=com" scope=2 deref=0 filter="(uid=hoge)"
また RADIUS_CLIENT_CREDENTIALS
で事前に鍵共有して認証していますが、ここの設定がずれていると以下のようなログが出るので設定を見直す必要があります。
以下の場合は RADIUS_CLIENT_CREDENTIALS=192.0.2.29:password1234
にする必要があります。
1radius_1 | Tue Dec 27 06:32:41 2022 : Error: Ignoring request to auth address * port 1812 as server default from unknown client 192.0.2.29 port 60803 proto udp
よりセキュアにする場合は LDAP_RADIUS_ACCESS_GROUP
等を利用して特定ユーザーのみグループに入れて利用可能等にすると良さそうです。
SoftEther の設定変更
radius サーバが用意できたのでつなぎこみます。
先程 VPN を張れるようにした際にリモートから設定投入できるようになっているので GUI で設定してしまいます。
SE-VPN サーバ管理ツールを起動して新しい接続設定の作成から設定を追加します。
- 接続設定名
- 任意
- ホスト名
- VM のグローバル IP
- ポート番号
- 443
- プロキシの種類
- 直接 TCP/IP 接続
- 管理モード
- サーバー管理モード
- 管理パスワード
- sample_spw_password(最初に設定した SPW 変数の中身)
接続したら仮想 HUB の管理を開きます。
認証サーバの設定へ進み、以下の設定を追加します。
- Radius サーバの設定
- 認証を使用する
- チェック
- ホスト名
- VM のローカル IP
- ポート番号
- 1812
- 共有シークレット
- password1234(RADIUS_CLIENT_CREDENTIALSと対応したもの)
- 共有シークレットの確認入力
- 同上
- 再試行間隔
- 500 msec
- 認証を使用する
ユーザーの管理へ進み、新規作成から以下のユーザーを追加します。
- ユーザー名
- *
- 認証方式
- RADIUS 認証
追加したら一度 VPN 接続を切って LDAP で追加したユーザーIDとパスワードでログインして接続出来たら OK です。
おー…できた
— スカイ (@skyblue3350) December 27, 2022
LDAP のアカウントで VPN 張れる pic.twitter.com/ClsMd68p4i